相続入門           行政書士Kanaya 金矢健次

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相続の基礎知識

◎ 相続の開始日って、いつ?
   相続は、死亡によって開始します。(民法882条)
   相続関係手続きでは、この死亡した者を「被相続人」と呼び、この者から相続財産を受ける者を「相続人」と言います。
   相続人が複数いる場合は、これらをまとめて「共同相続人」と言います。
   ちなみに、死亡届は、死亡の事実を知った日から、7日以内(国外での死亡は、3ヶ月以内)にします。
   ※ 失踪宣告により、家庭裁判所で死亡したとみなされた場合も、失踪者につき相続が開始します。

◎ 相続の開始場所は?
   相続は、被相続人の住所において開始します。(民法883条)

◎ 法定相続分 (民法887、889、890、900条)
   相続財産を引き継ぐ法律上の権利義務を有する者を相続人いいます。
   配偶者は、常に相続人となります。
    ※ 配偶者とは、法律上の配偶者です。内縁の妻は相続権はありません。

順  位 相続人となる者 法定相続分
第1順位 子またはその代襲相続人(孫、孫が死亡している時はひ孫) + 配偶者 配偶者 1/2 子     1/2 
第2順位 直系尊属(生存中の父母、父母共に死亡している時は、生存中の祖父母 + 配偶者 配偶者 2/3 直系尊属 1/3
第3順位 兄弟姉妹とその代襲相続人(おい、めいに限る。) + 配偶者 配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4
                                                                           ↑
                                                                        複数のときは、頭割
  代襲相続とは?
    相続人となるべき子、兄弟姉妹がすでに死亡、又は廃除、欠格の事由により相続権を失っている場合に、その者の直系
   卑属(孫やおいなど)が代わって、本来受けるべき相続財産を引き継ぐことをいいます。
    なお、相続放棄をした場合は、その者ははじめから相続人でなかったこととなり、代襲相続は適用されませんのでご注意!
    兄弟姉妹の代襲相続人は、その子のみ(被相続人から見れば、おいやめい)に限定されております。

  法定相続分の修正規定 (民法900条1項4号)
  @ 非嫡出子は嫡出子の1/2
  A 父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の1/2

  胎児は相続人?
   相続に関して、胎児は既に生まれたものとみなされます。(民法886条)
   よって、出生によって相続人に確定しますので、胎児が推定相続人である場合は、相続財産の分割は一時保留するのが
  一般的です。
   なお、死産の場合は、当然相続人にはなりません。

◎ 指定相続分 (民法902条)
    被相続人は遺言によって、共同相続人の相続分を指定することができます。ただし、相続人の遺留分に反する指定をすること
   はできません。(同条但し書き)
    しかし、相続人の遺留分を侵害した遺言であっても、当然無効となる訳ではなく、相続人が遺留分を保全する限度まで減殺請
   求することができるにすぎないものとして扱われます。
    
  遺留分ってなに?
   遺留分というのは、相続人中の一定の者に留保された相続財産の一定割合で、被相続人が贈与や遺贈によって奪うことのでき
  ない相続人の権利をいいます。
   遺留分権利者は、兄弟姉妹以外の相続人です。(民法1028条)
遺留分権利者 遺留分の割合
相続人が直系尊属のみ(生存中の父母等) 1/3
その他の場合 1/2
相続人が複数いる場合は、遺留分の割合に法定相続分の割合を乗じた割合(遺留分率)により、各相続人の遺留分が決まります。
                                                                       (民法1044条)
  例 相続人が、配偶者と子2人の場合
     配偶者  遺留分の割合 1/2 × 法定相続分 1/2 = 遺留分(率) 1/4
     子     遺留分の割合 1/2 × 法定相続分 1/4 = 遺留分(率) 1/8
     子     遺留分の割合 1/2 × 法定相続分 1/4 = 遺留分(率) 1/8
                                    ↑
                       子の法定相続分=1/2×1/2(子が2人であるので頭割する。)=1/4

◎ 相続財産
   被相続人の相続開始時に有していた財産をいい、これには消極財産(マイナス財産)も含まれます。

   遺産分割の対象財産 = 被相続人の相続開始時に有していた財産 − 相続財産に関する費用

   ※ 相続財産に関する費用とは、一般的に遺産の保存管理に要する必要費、有益費、財産目録調整費、遺言執行費用や
    その他の精算に必要な費用をいいます。
     固定資産税などの租税公課や、葬儀費用も含まれるとした判例や実例もあり、相続のケースに応じた取扱がなされて
    おります。
     この費用には、被相続人が残した借金などの消極財産(マイナス財産)たる金銭債務、いわゆる相続債務は含まれま
    せん。
     相続債務は、相続開始時に共同相続人が当然に法定相続分を承継するものとされ、遺産分割の対象たる相続財産には
    含まれないと解しております。(大阪高裁昭和31年10月9日)
     よって、相続債務は相続債権者(金融機関など)との関係で処理され、共同相続人が協議によって、各相続人の弁済割合
    を取り決めたとしても、相続債権者の承諾を得なければ、それを主張できないことになります。
     なお、協議によって取り決めた弁済割合は、共同相続人の間では有効となり、本来負担すべき相続人に対して求償権を
    行使することができます。
      
     実例
      親のプラス相続財産を受け継がなかったので、私には相続は関係ないと思っていた相続人Aさんのところに、
     ある日突然、銀行から親が生前残したローンの返済(法定相続分の割合に応じた金額)の請求書が送付されてきた。

     解説
      相続放棄をしない限り、相続人Aさんも相続債権者から見れば、共同相続人の一人です。
      当然に法定相続分に応じた債務も承継しますので、銀行からの承諾がなければ、支払を免れることはできません。
      なお、不動産を相続した者が、被相続人の残債(ローン)を負担することは、一般的に理にかなっており、遺産分割時に
     当該相続人が残債を負担する旨の取り決めは、相続人間では当然有効となります。
      よって、相続人Aさんはローン返済相当額を、本来負担すべき相続人に対して求償することができます

     教訓
      一般的に、プラスの財産を継承する意思がない場合には、マイナス財産も継承したくないのが本音でしょうから、
     一定期間内に相続放棄をするべきでした。相続の放棄をした者は、最初から相続人でない者として扱われます。

      相続債務は、相続人が当然に引き継ぐ財産で遺産分割の対象とされない財産ですが、特定の相続人が債務を負う
     ものと取り決めた場合は、後に相続人間で求償関係が生じるので、きちんと遺産分割協議書や合意書などの書面に
     その内容を明記しておくべきです。特定の相続人が債務を負う旨の申し入れについて、銀行などの相続債権者から
     当然に承諾を得るのは難しいでしょうから。
     

◎ 遺産の分割
   @ 遺言による遺産分割 (指定分割)
      遺言書で遺言執行者が指定されているときは、原則、この遺言執行者が相続財産の管理や処分の権限を有すること
     となり、遺言執行者が就任承諾した場合には、相続人は相続発生と同時に相続財産の管理、処分権を失います。(例外あり)
      また、遺言に相続人の廃除や認知の内容等がある場合には、遺言執行者のみがその処分権を有することとされており
     ますので、このような内容の遺言で遺言執行者が指定されていない場合には、家庭裁判所で遺言執行者を選任していた
     だくことになります。
      遺言に遺言執行者が指定されていない場合で、相続人の廃除や認知といった内容が含まれていないときには、相続人
     により遺言の執行を行うことができます。
      遺言があるからといって、必ずしも遺言執行者がいなければならないというものではありません。
      
   A 協議による遺産分割 (協議分割)
      遺言書がないときや、遺言書によらない分割をするときは、当事者全員の合意によって遺産を分割することができます。
      なお、遺言執行者がある場合は、原則、遺言執行者が遺産分割の処分権を有しまので、協議による遺産分割については
     制限されることになります。
 
     遺産の分割を協議する当事者って誰?
      協議の当事者は、共同相続人、包括受遺者、相続分の譲受人です。これらの者が1人でも欠けた協議は、無効となります。
      ※ 共同相続人には、相続を放棄した者、廃除、欠格の事由により相続権を失った者は含まれません。
         相続財産を全く継承しないという意思があり、相続放棄をしていない人は、相続人である以上、当事者に含まれます。
        相続人である以上、マイナス財産も当然に承継されるからです。

     遺産分割協議書の作成
      遺産分割の協議が終わったなら、一般的には書面に残します。この書面を「遺産分割協議書」といいます。
      この遺産分割協議書は、後のトラブルの防止のほか、不動産などの名義変更や相続税申告の際に必要となります。
      また、遺産分割協議書という名称を用いず、合意書などの名称であっても、協議の内容が明示されており、当事者全員が
     署名、押印したものであれば有効なものとなります。


   B 調停や審判による分割
      調停
       協議により遺産分割がまとまらないことがあります。
       その時には、家庭裁判所に遺産分割調停の申立をして解決を図ります。
       終結するまで、一般的には半年から1年程かかるといわれています。
       調停になる前に、できれば、円満に当事者の協議によって相続財産の分割を済ませたいものです。
       時間も費用も体力もかかり、当事者同士が望む本来の解決方法とは言い難い方法だろうと考えます。
       そんな時、利害関係に全く関わらない第三者(仲立人)が必要となることも多いでしょう。
       あなたの街の法律家「行政書士」がお役に立ちます。
       相続が、「争続?」 になる前に、一度、行政書士など最寄の専門家にご相談することをお奨めします。。

      審判
       調停によって解決が図られない場合に、審判の請求をします。裁判官が遺産分割の内容を決定します。


   遺産分割の期限と相続税上の特例制度
    被相続人が残した遺産は、共同相続人の共有財産(所有権の共有)となり、共同相続人の有する所有権は消滅時効に
   かかりません。(民法167条)
    よって、遺産分割の期限はありませんが、相続税においては「小規模宅地等の課税価格の計算特例制度」や「配偶者の
   税額軽減制度」などが受けられず、税法上の不利となる場合があります。もしも、相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月
   以内)までに遺産分割が間に合わない場合は、「申告期限後3年以内の分割見込書」を相続税の申告書に添付して税務署
   に提出することで、これらの特例制度の適用が、申告期限後3年以内に限って受けられる仕組みになっております。
    また、相続税の対象となる課税価格から一定金額の基礎控除の適用を受けることができますので、課税価格が当該基礎
   控除額の範囲であれば、相続税が課税されないことになります。
   相続税の算定や各特例制度については、最寄の税務署(相続税担当窓口)へお問合せ願います。

   ※ 以上のように、遺産分割には期限がないのですが、民法では共有を例外的なものとして扱っており、できるだけ共有を
    解消させようとしています。(民法251・252条の共有物の変更・管理・保存の扱い、民法256条の共有物分割の自由、不分
    割契約の期限制限規定など。)
      また、税法上においても、早期に遺産分割した納税者に特例(軽減)制度を設け、早めの遺産分割を租税面において優
    遇する措置を講じております。遺産分割は、相続人が生存しているうちに早めにすることをお薦めします。

◎ 相続回復請求権
    相続回復請求権とは、本当の相続人が、表見相続人(間違って相続人として戸籍に載せられている赤の他人、相続人と
   して相続財産を管理、処分した相続欠格者など)から相続財産を取り戻す権利をいいます。
    また、相続権があるにも関わらず、共同相続人の1人を全然除外して遺産分割をしてしまった場合などにも、不当に除外さ
   れた相続人はこの権利を行使することができます。
    相続回復請求権は、相続人またはその法定代理人が相続権を侵害された事実を知ったときから5年間行使しないときは、
   時効によって消滅する。相続開始の時から20年経過したときも、同様とする。(民法884条)
    自己の相続権が侵害(無視)されている事実を知ったときは、早めに遺産分割の請求や、相続回復請求権の行使を検討
   することが大切です。
  

遺言書の基礎知識

◎ 遺言はなぜ必要なのか?
   遺言は、自分の死後、残した財産をどう分けるかを、本人自身が意思表示するために必要となります。遺言の効力は民法に
  より法的に効力を有します。
   我が国では、遺言と聞くと良い印象を受けなかったり、一般庶民には関係ない財産家が関わる無縁の書類だとかと思う方も
  少なくありませんでした。家の財産の引き継ぎや墓を守ることは長男だという意識も当たり前になっていたこともその背景の一つ
  であります。
   しかし、最近では、社会情勢の変化に伴い、多様な生活様式が生まれ、必ずしも長男が財産を守らなければならないといった
  意識が薄れてきたことは否定できない事実であります。そんな中、遺言がないため、誰が財産を守るのか、どのように財産を分
  ければよいのか、といった相続財産をめぐるトラブルが多くなってきました。
   このような背景から、財産を持つ者の最後の責任として、残された遺族がスムーズに相続できるようにと考え、また、自分の
  財産を自由に配分する権利を有する者としての立場から、現在においては、遺言は我々一般庶民においても必要かつ大切な
  ことであるという認識が高まってきております。

◎ 遺言をすることができる者
   15歳に達した者は、遺言をすることができます。(民法961条)
   また、制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人)でも、法定代理人の同意を得ずに単独で遺言でき
  ます。(民法962条)
   なお、制限行為能力者のうち、成年被後見人については、医師2人以上の立会いが必要となります。(民法973条)

◎ 共同遺言は禁止(無効)
   遺言は、2人以上の者が、同一の証書ですることができません。(民法975条)
   自筆証書遺言による場合は注意してください。無効となりますので、それぞれ別に作成してください。


◎ 遺言の方式と主な特色
遺言の方式 主 な 長 所 主 な 短 所
自筆証書遺言 @ 1人で、いつでも作成できる。
A 遺言の内容を秘密にできる。
B 簡単な方法で費用がかからない。
@ 詐欺、脅迫の可能性、紛失、隠匿の危険性がある。
A 方式(書き方、表記方法)が不備だと無効になるおそれがある。
B 自筆が必要(ワープロなどでの作成は無効)
C 遺言執行にあたり、家庭裁判所の検認が必要。
公正証書遺言 @ 公証人が作成、内容が明確で証拠力が高く安全。
A 原本が公証人役場に保管されるので、偽造などの危険がない。
B 自筆できない者でも、遺言を残せる。
C 遺言執行にあたり、家庭裁判所の検認が不要。
@ 公証人の関与により、一定の段取りが必要。
A 遺言の存在と内容は公証人と証人には明らかとなる。
B 証人2人以上の立会いが必要。
C 多少費用と時間がかかる。
秘密証書遺言 @ 遺言の存在を明確にしつつ、内容の秘密が保たれる。
A 公証により、偽造などの危険がない。
B 署名、捺印さえできれば、その他は自筆でなくてもよい。
@ 公証人の関与により、一定の段取りが必要。
A 遺言の存在は公証人と証人には明らかとなる。
B 証人2人以上の立会いが必要。
C 遺言書は、遺言者自身のみで保管、管理しなければならない。
D 遺言執行にあたり、家庭裁判所の検認が必要。
  本表以外に、危急の際の特別方式による遺言があります。


     Q 安全、確実な遺言を残すには、どの遺言書を選べばよいか?
                  ↓
      それぞれの遺言書について、主な長所と短所を上の表のとおり示しました。
      自筆証書遺言と秘密証書遺言は、内容を誰にも見られずに作成できるのですが、民法の定めた方式どおり作成
     することが要求され、不備であれば無効と判断されることが多々あります。
      また、遺言書はご自身だけが管理することとなり、紛失のほか隠匿される危険性が高いといえます。
      公正証書遺言によった場合、証人2人の立会いが必要となり、遺言の存在や内容が完全に秘密になるわけではないも
     のの、守秘義務を有する行政書士などに証人を依頼しておくことで、外部に対する秘密は保たれるものと考えられます。
      また、公証人役場に遺言書の原本が保管されるため、紛失や隠匿、偽造の危険がありません。
     さらに、本人のほか公証人と証人2人以上の立会いにより、最も確実な内容、方法で遺言を残すことができます。
              ↓
     結論  安全、確実な遺言は、やはり 「公正証書遺言」 なのです。 遺言は、公正証書遺言をお薦めします。

◎ 公正証書遺言の作成手順
  @ 公証人役場に次の書類を持参する。(事前に遺言の件で来所する旨を電話で連絡しておけばスムーズにできます。)
     ア 遺言の内容を記載したもの(メモ等簡単なもので結構)
     イ 遺言者の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの) 1通
     ウ 遺言者と財産を受ける推定相続人の続柄が確認できる戸籍(除籍)謄本
     エ 相続人以外の者への遺贈がある場合は、その者の住民票
     オ 相続させる財産のついての証拠書類
       不動産: 土地や建物の登記簿謄本、固定資産評価証明書又は固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書
       その他: 預金通帳、株券など
     カ 証人2人以上の立会いが必要となるため、その人の住所、氏名、生年月日、職業を記載したメモ
       (証人になれない人)
        ・未成年者
        ・成年被後見人、被保佐人
        ・推定相続人、受遺者
        ・推定相続人と受遺者の配偶者、
        ・推定相続人と受遺者の直系血族
        ・公証人の配偶者、公証人の四親等内の親族、公証人の雇用関係者など
     キ 遺言執行者(遺言を実行してくれる人)を指定する場合は、その人の住所、氏名、生年月日、職業を記載したメモ
       遺言執行者は、証人の方でも推定相続人、受遺者でも指定することができます。
    ※ 一般的には上記のとおりですが、遺言の内容や相続財産の種類によって他の書類が必要となる場合があります。
      あらかじめ、公証人との打合せにより、確認しておく必要があります。

  A 公証人より、公正証書遺言の作成日時が指定されます。
     公証人は、その指定した日までに遺言の原稿を作成しておきます。

  B 指定された日に、証人2人以上を伴って公証人役場へ行く。
     公証人は、遺言者と証人に遺言の内容を読み聞かせるなどして、公証人の筆記に間違いがないかどうか確認させる。
     遺言の内容に間違いがなければ、遺言者と証人が署名、捺印する。
     最後に公証人が署名、捺印し、3部作成のうち、原本が公証人役場に保管され、正本と謄本が遺言者に引き渡されます。
     (当日持参するもの)
      ア 遺言者の実印
      イ 証人の認印(朱肉印で押印できるもの)を持参
      他に、公証人役場より指示がある場合は、それらの書類も持参する。

◎ 公証人への手数料
   手数料は、公証人手数料令(平成5年6月25日政令第224号)により、相続財産の価額及び財産を受ける方の人数などに
  よって異なります。
   詳しくは、日本公証人連合会ホームページを参考願います。
  
  (手数料の計算例)
   相続させる財産の価額 1億円、財産を受ける者 2人、相続割合はそれぞれ1/2 (均等相続) の場合
   @ 公証人への手数料を計算
      1人当たりの財産の価額を計算
       1億円 × 相続割合 1/2= 1人当たりの財産 5,000万円・・・公証人手数料令第9条別表より 29,000円
       財産を受けるものが2人、共に均等相続なので、29,000円×2人= 58,000円・・・A
   A 遺言加算額を計算
      公証人手数料令第19条により、財産の価額が1億円までは加算対象。  よって、11,000円・・・B
   B 用紙代を計算
      一般的なケースであれば、約3,000円程度・・・C
   C 合 計 
      約72,000円・・・A+B+C

◎ 参 考
   自筆証書遺言を作る場合に注意することは?
    自筆証書遺言は、次の要件を全て満たすことが必要です。
    通常、次の要件を一つでも欠いた遺言は無効と判断されますので、念には念を入れて慎重に作成しましょう。
    なお、書式や用紙の種類は特に定められておりませんし、縦書きでも横書きでも構いません。
    また、筆記具も何を使っても構わないのですが、一般的には、ボールペンや万年筆などの顔料(インク)を含むものを使用
   します。鉛筆での作成は、容易に本人以外のものが消すことができるのでお薦めしません。

    要 件
    @ 自筆証書遺言は、遺言の全文を自書することが必要です。
       自書とは、遺言者が自ら書くことです。両手がない方は、口、腕、足で書いても差し支えありませんが、大変困難なもの
      です。そうした時は、公正証書遺言によることがベストでしょう。
    A 日付を書くこと。
       日付も自書するので、ゴム印などを用いたものは無効とするのが通説です。
       年月日又は作成日が特定できる内容でなければなりません。
       (例) 有効となる場合
           「平成○○年○月○○日」、「私の還暦の日」、「銀婚式の日」など ・・・日付が特定できるので有効
           無効となる場合
           「○年○○日」、「平成○○年○月吉日」など ・・・日付が特定できないので無効
       日付の記載する箇所は民法では特に定めがありません。一般的には、遺言内容の後に記すのが多いです。
    B 氏名を書くこと。
       遺言者の同一性を確認するために氏名を自書することが必要です。
       一般的には戸籍上の氏名を書きます。著名な人物など、遺言者の同一性が認識可能であれば、戸籍上の氏名でなくとも、
      遺言者が日常対外的に使用しているペンネームなどを用いることも差し支えありませんが、後日の検認判断が困難となら
      ぬよう戸籍上の氏名を正確に書き記すことをお薦めします。
       また、同姓同名の方が数多く、他人と混同されるおそれがある場合には、氏名の他に、住所、職業、生年月日などを併記
      して、遺言者が特定できるようにしておくことが一般的な書き方です。
    C 遺言者が遺言書に押印すること。
       印鑑の種類には制限がありません。実印のほか認印、拇印で足りるとされています。ただし、拇印などによった場合は、
      本人が押印した遺言なのかどうかを調べる手間がかかります。検認作業のことも考慮され、印鑑証明書による印、いわゆる
      実印を用いることが賢明です。
       押印箇所は、民法による制限はありませんが、一般的には氏名の下にする方法が多いです。

    最後に、遺言書を自書したなら、もう一度内容を確認して、遺言の秘密を保持するために、封筒に入れて保管しておきましょう。
    特に、封筒に入れなければいけないという規定はありませんが、一般的に使われている保管方法です。
     (参考)封筒の一般的な作り方
          @ 遺言書を入れるのに適当なサイズの市販封筒を用意する。
          A 封筒の表面に「遺言書」や「遺言」、「遺言書在中」などと記入する。
          B 封筒の裏面に「日付」と「氏名」を記入する。
             日付や氏名の他、「開封を禁ずる」や「遺言者の死後遅滞なく、この遺言書を家庭裁判所に提出すること。」など
            適宜、記入しておく方もおりますが、最低限、日付と氏名を記入しておけば用は足ります。
          C 作成しておいた遺言書を、封入する。
          D 遺言書に押印した印で封印し、適切な場所に保管しておく。

   遺言が2通でてきたのですが、どっちが本当?
    前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなさ
   れます。(民法1023条)
    よって、前の遺言と後の遺言で、同一項目について書かれた内容であれば、一番新しい後の遺言が有効となります。
    また、後の遺言で、前の遺言の項目以外の新たな項目のみを記した場合は、前の遺言と抵触する項目がありません
   ので、どちらの遺言も効力を有します。
    後のトラブルを考えて、なるべく遺言は1通にしたいものです。遺言は、いつでも、撤回することもできますが、民法の定
   める遺言の方式によることになります。(民法1022条)
    つまり、撤回するために、また、遺言の作成を要するので、遺言を作成する際は、かなり慎重に意思を固めてから行うこ
   とをお奨めします。
    

     相続・遺言についてお悩みの際は、どうぞお気軽にご相談ください。 
                               行政書士Kanaya 金矢健次